【FAQ】従業員の入社時に伝えておくべきことは何ですか?

答えは次のうちどれでしょう?

A 就業規則の掲示場所

B ハラスメント相談の担当者

C 雇用管理に関する相談の担当者

D 正社員と非正規社員の待遇差について

E 健康診断の受診時期

正解は・・・A〜Eのすべてが正解です!

以下に、それぞれのポイントをご紹介します。

就業規則は周知しないと意味がない

常時10人以上の従業員が働いている事業場では、就業規則を作成する義務があります。(労働基準法第89条1項)

就業規則には主に職場の労働条件を記載しますが、単に作成しただけでは、効力は生じません。

従業員に周知してはじめて、就業規則の内容が、職場の労働条件として機能します

周知方法については、いつでも見られる状況であれば職場に置いておいてもよいですし、紙で渡す方法やオンライン上に掲示する方法があります。

新しく従業員が入社したときには、「A 就業規則の掲示場所」を知らせるようにしましょう。

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相談窓口を設置しなければならない

セクハラ、マタハラ、パワハラなどのハラスメントについては、相談窓口の設置が義務づけられています(中小企業においては、パワハラ相談窓口設置は、2022年4月1日から義務化)。

ハラスメント相談窓口は、社内に担当者や担当部署を設けてもよいですし、業務委託のサービスを利用するなど、社外に設けても構いません。

「誰に連絡すれば、ハラスメントについて相談できるか」を明らかにしておくことが大切です。

また、パートタイマや、契約社員など有期雇用で働く方に対しては、労働条件などについて相談できる窓口を設けなくてはなりません

こちらは、ハラスメントとは異なり、社内に窓口を設けることが一般的です。

新しく従業員が入社したときには、雇用形態にかかわらず「B ハラスメント相談の担当者(部署)」を、パートタイマーと有期雇用の従業員に対しては「C 雇用管理に関する相談の担当者(部署)」を伝えるようにしましょう。

待遇差などについて説明しなければならない

パートタイマーや有期雇用の従業員を雇ったときには、D 正社員と非正規社員の待遇差について」などを説明しなければなりません。(パート有期雇用労働法第14条1項)

具体的には、以下の事項についてです。

  • 正社員と非正規社員の待遇について、不合理な差を設けていないこと
  • 正社員と同じような働き方をする非正規社員の待遇について、差別的な取り扱いをしていないこと
  • 正社員と同じような働き方をする非正規社員に対しては、正社員と同様の教育訓練を実施すること
  • 正社員と同様、福利厚生施設を使えること
  • 正社員登用制度について

有期雇用労働者に対しての説明義務は、2020年4月1日(中小企業においては2021年4月1日)から義務化されましたので、要注意です。

入社時には健康診断を受けさせなければならない

採用の過程で健康診断の結果を提出させていない場合には、従業員が入社してから1ヶ月以内くらいには健康診断を受けさせなければなりません。

法律で定められた診断項目については、会社が従業員の健康状況を把握する義務があります。

それと同時に、従業員にも、健康診断を受診する義務があります。

新しく従業員が入社したときには、入社時の「E 健康診断の受診時期」を知らせるようにしましょう。

まとめ

Q従業員の入社時に伝えておくべきことは何ですか?

A就業規則の掲示場所、ハラスメント相談の担当者(部署)、パートと有期雇用の従業員に対しては雇用管理に関する相談の担当者(部署)、正社員と非正規社員の待遇差について、健康診断の受診時期について伝えておくべきです。