【受験生向け】点数8割超で合格した勉強法

勉強法

社会保険労務士の業務は、労働保険・社会保険関係の手続きや就業規則の作成が主なものです。

社労士事務所や社会保険労務士法人で雇われて働くのであれば、とくに資格はいらないと思います。

資格があれば仕事ができるわけではないし、資格がなければ仕事ができないわけではないからです。

ただ、受験勉強をして、労働法と労働保険・社会保険について体系的に学んだことは、仕事にかなり活かされていると感じています。

お客さんから1つの質問を受けたとしても、さまざまな側面から相談対応ができるからです。

私は、2年目で社会保険労務士試験に合格しました。点数は、選択式33点、択一式57点でした。

今回は、私がおこなった勉強法をご紹介します。

1年目は選択式の国民年金1点に泣きましたが、2年目は余裕を持って合格することができました!

第50回社会保険労務士試験科目選択式(各5点満点)選択式の合格基準択一式(10点満点)択一式の合格基準
労働基準法・労働安全衛生法43点以上104点以上
労災保険法43点以上84点以上
雇用保険法53点以上84点以上
一般常識(労務管理/社会保険)8(4/4)(3点以上/2点以上)64点以上
健康保険法53点以上104点以上
厚生年金保険法43点以上84点以上
国民年金法32点以上74点以上
総得点(40点/70点満点)3323点以上5745点以上

時間と場所を確保する

自分にあう勉強時間を知る

まず、なんといっても時間の確保ですよね。

社会保険労務士試験の合格には、1,000時間ほど必要だといわれています。

学生時代に法律を勉強したことがあれば、改めて勉強時間を確保しなくても、合格する方はいらっしゃると思います。

そういう方なら、数百時間で合格されることもあるのではないでしょうか。

私は、法律関係について勉強したのは、大学で民法の講義を受けたくらいでした。

1年目は、国民年金の選択式で1点たりずに足切りにて不合格で、結果的に1,500時間くらいは勉強したと思います。

また、「いつ勉強するか」について、自分にあう習慣を身につけることも大切です。

私は、TACという予備校に通っていたのですが、最初は休日の土曜日に1日中講義を受けるというスタイルでした。

でも、休日に1日中だと、どうしても眠たくなってしまって、自分には合わないことがわかりました。

平日の仕事終わりの方が、仕事で頭が働いている延長で勉強ができ、私にはあっていました。

休日は、家でのんびり、疲れたら昼寝しながら勉強していました。

また、平日の昼休憩も勉強時間にあてました。

これも休日の勉強が向いていないのと同じで、仕事で頭が働いている間に、勉強もするという感じです。

あとは、平日の夜に友人と食事に行ったり、休日に出かけたい時もあって、でも、昼休憩に少しでも勉強していれば、罪悪感がなく楽しめたのもよかった点です。

通勤時間にも少しやっていましたが、私が使っていた通勤路線はひどい満員電車であまり集中できず、やらないよりはましという程度だったと思います。

自分にあう勉強場所を知る

つぎに、勉強場所の確保も大切です。

私は、家で勉強する方が向いているタイプなので、家に勉強場所を作りました。

それまで机もなかったので、安い机を買いました。

また、「この科目を勉強する」と決めるよりは、「あの科目はどうなっていたっけ?」と、他の教科書を確認しながら勉強したいタイプなのですが、荷物が多いのがキライなので、教科書を持ち運ぶ必要がないことも、家で勉強する方がいい要素でした。

家があっていると分かるまでは、予備校の自習室で勉強したり、地域の図書館に行ってみたり、カフェに行ってみたりを試しました。

POINT
  • 自分にあう勉強時間をみつける。平日 or 休日、朝 or 夜、細切れの時間を使うなど。
  • 自分にあう勉強場所を見つける。家、自習室、図書館、カフェ、職場など。

法律の読み方を知る

基礎の基礎をかためる

上記のとおり、法律について学んだ経験は、大学で1コマ講義を受けたくらいでした。

そのため、「一から」勉強することになりました。

すべては、3の「教科書を理解する」に集約されるのですが、「一から」の人は、まず法律の読み方を知る必要があります。

なぜなら、法律の条文は、同じ日本語でも、独特な言い回しをするからです。

社会保険関係は法改正が多いので、合格後も自分で法律を読める必要があります。

手続き関連なら、役所が配布する資料にありがちな、ごちゃごちゃした文章を読めないといけません。

就業規則なら、法律を読んだ上で、それを自分で就業規則の条文に落とし込む必要があります。

オススメの本

予備校に通うとしても、基礎の基礎は教えてくれないので、自分で勉強する必要があります。

私が読んでよかった本は、『法律を読む技術・学ぶ技術』です。

この本で解説されている一番大切なことは、「法律は暗記ではない」ことです。

試験に合格するためには、もちろん暗記しなければいけないのですが、記憶があいまいだったときに最後救ってくれるのは、法律の目的や成り立ちなどの「全体像」です。

その全体像が解説されています。

ほかに、法律特有の文言が説明されています。

たとえば、以下のような言葉です。

  • 濫用
  • 心裡留保
  • 瑕疵
  • 以前(前)、以後(後)
  • 又、若しくは、及び、並びに
  • 適用、準用
  • みなす、推定する

これらは、社会保険労務士試験の教科書や授業では教えてくれません。

法律を初めて勉強する人は、こうした本で勉強した方がいいと思います。

POINT
  • 法律を一から学ぶ人は、試験勉強の前に基礎をかためることがオススメ。
  • 『法律を読む技術・学ぶ技術』などの本で、法律の全体像や独特の文言を勉強しよう。

教科書を理解する

自分にあう先生を見つける

そして、試験勉強は「教科書の内容を理解する」に尽きます。

そのために大切なのは、自分にあう先生を見つけることです。

私は、TACという予備校に通っていて、曜日によって5〜6人の先生の授業を受けたことがあるのですが(出席できなかったときの振り替えも含めて)、先生の教え方は人によって全然違います。

語呂合わせ的な教え方が得意な先生、全体像から教えるのが得意な先生、淡々と教える先生、親切に質問に答えてくれたり調べてきてくれる先生など・・・

私は、上記に記載したとおり、細かい数字を覚える前に全体像を把握してから理解していきたいタイプだったので、全体像を教えるのが得意な先生に落ち着きました。

ちなみに、おそらく一番合格者を出していたのは、語呂合わせ的な教え方が得意な先生でした。

教科書を自力で読んでいける人は気にしなくてもいいと思いますが、スラスラ読んでいけない人は、自分にあう先生を見つけることがポイントだと思います。

教科書の内容を理解する

試験勉強の中で最も大切なのが、「教科書の内容を理解する」です。

勉強時間の80%くらいの時間を割いていいと思います。

もちろん、過去問を何度も解くことに時間を割いた方がいいとおっしゃっている人もいて、自分にあうならばその方がいい人もいると思います。

ただ、私は、教科書を読む、問題集を解いて、分からないところは教科書に戻って読むという作業に、大半の時間を使っていました。

教科書を何度も読んでも理解できないときは、先生に質問するのもいいですが、インターネットにたくさん情報があるので、自分で調べた方がいいと私は思いました。

なぜかというと、予備校の先生も、質問をしてきた人がどこでつまづいているかまでは、分かっていないからです。

回答をもらってスッキリした経験の方が、少なかったです。

ちなみに、教科書はたくさんの種類は必要ないと思います。

いくつも購入される方がいますが、教材は、たくさんの種類は本当にいらないです。そんなにいろいろ使う時間はないです。

1つの教科書のすべての内容を理解することに時間を使ってください。

POINT
  • いろいろ授業を受けるチャンスがあるなら、自分の学び方と教え方があっている先生を見つける。
  • 教科書の内容を理解するために、問題集を解く、わからないところは教科書に戻る、それでもわからないときはインターネットで調べる。
  • 教科書と問題集は1種類でOK。
  • 先生に質問して理解しようというのは、難しい。補助的なものと考えた方がいい。

問題の解き方を工夫する

1年目に、国民年金の選択式が1点足りず、足切りで不合格になって分かったことがありました。

中途半端な知識だと勝てない

中途半端な知識しかない人を振り分ける試験ですから、選択肢が迷うように作られていますよね。

あと、択一式だと、あっているものや間違っているものがいくつあるか、という問題も出ます。

1年目を振り返ると、「こっちかな・・・」と迷いながら解答を決める割合が多かったです。

これではダメだと思い、2年目に勉強するときには、問題の解き方を変えました。

それは、選択肢のどこがどう違うかを、一つひとつチェックしていく方法です。

私の問題の解き方イメージ(クリックすると画像が拡大されます)

イメージは、上の図のような感じです。

たとえば、「〇〇」や「□□」という言葉を知っていたら、「OK」とメモします。

「△△は違う、▲▲だ」と明らかにわかれば直してメモして、答えは「✖️」だと導きます。

あるいは、「☆☆」という全く聞いたことのない言葉が現れたら、「?」とメモします。

「□□」は、「あのテーマの〇〇で出てきた言葉だよなあ、☆☆という言葉は出てこなかったはずだ」と思いだし、答えは「✖️」と導きます。

2つ目の解き方は、聞いたことがない言葉が出てくると、自分が勉強不足なだけかなと思って○をつけたい誘惑に駆られるので、自分のやってきた勉強と記憶を信じるためのものです。

このように、どこがあっていて、どこが間違っているかをメモしながら解いていくと、「何個あっているか」といった個数問題でもそうでなくても、解き方は変える必要がありません。

本試験では、すべての問題をここまで細かくメモしていくことはできないかもしれませんが、問題集で知識を身につけるときや、本試験ですぐに答えを導けないときには、この解き方が有効だと思います。

POINT
  • 問題を解くときには、「どこがどう違うか」をメモしながら答えを出す。この解き方だと個数問題にも対応できる。
  • 本試験では時間が限られているので、できる範囲で。すぐに答えを出せないとき、迷ったときに有効。

社労士として仕事をしていくには、資格合格後も勉強し続けることが大切だと感じています。

資格合格後の勉強に役立つツールは、以下で紹介しています。資格合格後のイメージづくりにご活用ください。

まとめ

  • 自分にあう勉強時間・場所を知って確保する。それがわかるまではいろいろ試してみる。
  • 法律の読み方を学ぶ。『法律を読む技術・学ぶ技術』がオススメ。
  • 自分の学び方にあう先生を見つける。語呂合わせが得意、全体像を教えるのが得意、質問に親切に答えてくれる先生など・・・
  • 教科書の内容を理解する。読む、図解する、問題集のわからないところは教科書に戻る。教科書は1種類でOK。
  • 問題を解くときには「どこがどう違うか」をメモしながら答えを出す。