社労士のシモデ(@sr_shmd)です。
突然ですが人事労務に関するクイズです。
- 従業員が入社したときには何を伝えておかなければならないのでしょうか?
- 答えは次のうちどれでしょう?
(1) 就業規則の掲示場所
(2) ハラスメント相談の担当者
(3) 雇用管理に関する相談の担当者
(4) 正社員と非正規社員の待遇差について
(5) 健康診断の受診時期
正解は・・・(1)〜(5)のすべてが正解です!
この記事では、新入社員に対して入社時に伝えるべきことについて解説します。
この記事は次のような人にオススメです!
- 就業規則を担当している人事労務担当者
- 新入社員の教育係
- 社労士試験の受験生
就業規則の掲示場所を伝える
常時10人以上の従業員が働いている事業場では、就業規則を作成する義務があります。(労働基準法第89条1項)
就業規則には主に職場の労働条件を記載しますが、単に作成しただけでは効力は生じません。
従業員に周知してはじめて、就業規則の内容が職場の労働条件として機能します。
周知方法としては、いつでも見られる状況であれば職場に置いておいてもよいですし、紙で渡す方法やオンライン上に掲示する方法があります。
新しく従業員が入社したときには、「(1) 就業規則の掲示場所」を知らせるようにしましょう。
相談窓口の担当者を伝える
セクハラ、マタハラ、パワハラなどのハラスメントについては、相談窓口の設置が義務づけられています(大企業は2020年6月1日から、中小企業は2022年4月1日から義務化)。
ハラスメント相談窓口は、社内に担当者や担当部署を設けてもよいですし、業務委託のサービスを利用するなど、社外に設けても構いません。
「誰に連絡すれば、ハラスメントについて相談できるか」を明らかにしておくことが必要です。
また、パートタイマーや契約社員など有期雇用で働く方に対しては、労働条件などについて相談できる窓口を設けなくてはなりません。
こちらは、ハラスメントとは異なり、社内に窓口を設けることが一般的です。
新しく従業員が入社したときには、雇用形態にかかわらず「(2) ハラスメント相談の担当者(部署)」を、パートタイマーと有期雇用の従業員に対しては「(3) 雇用管理に関する相談の担当者(部署)」を伝えるようにしましょう。
正社員と非正規社員の待遇差などについて伝える
パートタイマーや有期雇用の従業員を雇ったときには、「(4) 正社員と非正規社員の待遇差について」などを説明しなければなりません。(パート有期雇用労働法第14条1項)
具体的には、以下の事項についてです。
- 正社員と非正規社員の待遇について、不合理な差を設けていないこと
- 正社員と同じような働き方をする非正規社員の待遇について、差別的な取り扱いをしていないこと
- 正社員と同じような働き方をする非正規社員に対しては、正社員と同様の教育訓練を実施すること
- 正社員と同様、福利厚生施設を使えること
- 正社員登用制度について
有期雇用労働者に対しての説明義務は、2020年4月1日(中小企業においては2021年4月1日)から義務化されました。
健康診断の受診時期を伝える
採用の過程で健康診断の結果を提出させていない場合には、従業員が入社してから1ヶ月以内くらいには健康診断を受けさせなければなりません。
法律で定められた診断項目については、会社が従業員の健康状況を把握する義務があります。
それと同時に、従業員にも健康診断を受診する義務があります。
新しく従業員が入社したときには、入社時の「E 健康診断の受診時期」を知らせるようにしましょう。
新入社員に対して入社時に伝えるべきことまとめ
- 従業員の入社時に伝えておくべきことは何ですか?
- 就業規則の掲示場所、ハラスメント相談の担当者(部署)、パートと有期雇用の従業員に対しては雇用管理に関する相談の担当者(部署)、正社員と非正規社員の待遇差について、健康診断の受診時期について伝えておく必要があります。