2021年夏、勤務先の社会保険労務士事務所を退職して、独立することにしました。
今まで職は転々としていたものの、退職願は今回初めて書きました。
今回は、勤務社労士事務所からの退職の経緯と実務歴を記しておくことにします。
なにがしたくて社労士になったのか
経営者の助けになりたい
現在勤務している社会保険労務士事務所で働いて、4年半経ちました。
この業界に入ったのは、5年ほど前に職探しをしているとき、ひょんなことから社労士という資格を知ったからでした。
祖父と父親が中小企業零細企業を営んでいて「経営者は孤独な商売だな〜」と感じていたため、「社労士は経営者の助けになるような仕事なのかな」という大ざっぱな興味を持ったのでした。
社会保険労務士という国家資格で行える独占業務は、社会保険関係(健康保険証や離職票など)や労務関係(36協定や就業規則など)の手続きや書類作成です。
社労士事務所に勤めて、初めて、知ったことでした。
社労士は地味な資格だし地味に試験が大変

「サムライ業」とも呼ばれる士業の中でも、社労士は知名度が低いです。
企業経営においては、税理士の皆さんほど、必須というわけでもないと思います。
人事部や総務部にいた方なら関わったことがあるかもしれないなあ、というレアさです。
その割に、試験勉強は地味に大変なんですよね。
合格率は6〜7%で、合格に必要な勉強時間は1,000時間といわれています。
社会保険関係は法改正が多いのと、一般常識という出題範囲が膨大な科目で足切りになったら終わりという2点が、大変さの主な要因だと思います。
まあまあ大変な思いをして、家族からも助けられて試験に合格したわけなので、
「なにがしたくて社労士になったのか」を忘れたら終わりだな
と、勤務先の事務所で働きながら感じるようになっていきました。
独立までの実務歴
勤務先の事務所での4年半では、幅広く業務を経験させてもらいました。
ざっと、以下のような実務です。
- 社会保険関係の手続き
- 給与計算
- 36協定作成
- 就業規則作成
- 労務相談への対応
- 労働組合との団体交渉への参加
- 労働局でのあっせんへの参加
- セミナー運営、資料作成、講師
- ホームページの管理・更新等
- 顧客向け情報提供サイトの立ち上げ・コンテンツ作成・運営等
- 顧客向けニュースレターの記事作成・編集
資料作りやウェブ周りは、前職が理系の研究所や研究室だったことや、素人ながらブログやホームページを作成したことがあったので、以前からなじみがありました。
退職願の書き方
「いつ」が大切だった

なんとなく独立が頭の中にチラつき始めた頃、「いつ独立するか」を検討し始めました。
「いつ」を決めるにあたり、私にとって大切なことが2つありました。
ひとつには、独立の準備をすることよりも、勤務先の事務所での立ち位置です。
何かを始めるとき、計画を立てるよりはまず動いてみるタイプなので、独立後の仕事のことは、恥ずかしながら完全ノープランです。
そして、「立つ鳥跡を濁さず」を大切にしたいタイプなのです。
社会保険関係の手続き業務は、6月〜9月あたりが忙しい時期です。
これらの業務で、2021年は担当の割り当てがなかったので、6月〜9月の確定的な仕事はなくなりました。
また、年度のはざまで資料作成の業務が落ち着いていたり、顧客向け情報サイトの立ち上げから一定期間経っていたこともいいタイミングでした。
もうひとつは、誰の参考にもならないと思いますが、誕生日が夏なのでその前に決めちゃおうということでした。
これらのことから、「今しかない」と思ったのが、2021年夏でした。
「退職の意思表示」って?

退職願をきちんと書くのは、今回が初めてでした。
会社を退職すること(労働契約を解消すること)は、まさに社会保険労務士の専門なので、簡単に説明します。
「会社を辞めたいなあ」と思ったときに、難しいことだと考えて退職代行会社などにお願いする方もいるかもしれません。
ですが、法的には「辞めます」と言えばいいという、簡単なことなんです。
「辞めます」という退職の意思表示が会社に到達してから、少なくとも2週間で、労働契約は終了します。(民法第626条)
これは会社と一切話したくない、話が通じないといったレベルですが、覚えておいて損はないと思います。
実際には、契約は合意で終わるのが一番いいので、「〇日付で退職したく、お願い申し上げます」として退職願を提出して、会社から承諾を得るのがいいですよね。
引き継ぎは大切な仕事ですし、会社と従業員の関係が悪くなければ、年次有給休暇を消化してから退職という流れも可能になってくると思います。
私自身は、退職願を提出する前1ヶ月が、一番黙々と仕事を頑張ったと自負しています・・・!
ちなみに、労働契約の開始については、こちらの記事をどうぞ。
先のことは誰にも分からない

「立つ鳥跡を濁さず」を大切に、かつ「動きながら考える」タイプなので、阿呆なくらいノープランなのですが、やってみるしかないなあという状況です。
独立を報告した方からいただいた言葉は、「なんでもできると思って、あまり自分で枠を作らない方がいいよ」でした。大切にしたいです。
じっと考えていた時期はブログの更新をせずにいたので、これが久々の記事になっていましました。
労働法の基礎知識など、引き続きお伝えしていきますので、お役に立てたら嬉しいです。
不安な気持ちもまとめて楽しんでいきたいと思います!