【男性には分からぬ世界?】女性の攻撃は間接的

女性の攻撃は間接的
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パワハラやセクハラの裁判例においては、圧倒的に男性の加害者が多いです。

加害の度合いが大きく、被害者のかたが精神疾患を発症したり自殺してしまったりした事例が争われます。

生き物としては女性よりも男性の方が攻撃的であることからも、納得できます。

一方で、日常の職場で問題になるのは、スケールとしてはもっと小さい、でも被害を受けた人は非常に嫌な思いをしたり、離職したりしてしまうハラスメントだと思います。

特に女性加害者は裁判になる事例も少ないので、一見ハラスメントの数も少ないのかと思ってしまいます。

しかし、友人や知人に問いかけてみると、女性にパワハラやセクハラをされたことがあるといいます。

攻撃の度合いが強いために男性加害者に着目することが多いですが、ケースとしてはおそらく決して少なくない、女性によるハラスメントにはどのような特徴があるかをみていきましょう。

生き物としての原則

オスの方がメスより攻撃的

オスとメスのちがい

まず、生き物の原則として、オスとメスのちがいの一つはメスよりもオスが攻撃的であるということが挙げられます。

これは、オスがメスに近づくためにオス同士で競争する必要があるからです。

そのためオスは、大きな犬歯やアゴ、ツノ、牙などの武器を備えています。

人間も例外ではありません。

基礎代謝量の男女比は5:4であり、70歳以上の男性の平均1,290(kcal/日)と15〜17歳の女性の平均1,310(kcal/日)がさほど変わらないわけです。

また、刑法犯検挙人員(※)の男女比は「約4:1となっていて、圧倒的に男性が多くなっています。

※検挙とは、警察官などが被疑者を取り調べること。

人間としての例外の部分

女性の攻撃

しかしながら、通常人間はハーレムを形成するわけではなく一夫一妻の社会であり、人間のオスもふつうに子どもに投資をします。

人間も男女の体格差はあるものの、多くの生き物の中では、比較的その差は小さい方です。

オスが一方的にメスをめぐって争うとは限りません。

メスがオスをめぐって争うこともあるわけです。

そうすると、女性はただ待っていて男性をより好みするのではなく、女性なりの方法で競争し、攻撃する必要があるわけです。

女性の攻撃は間接的

離職者が多い現実を受け入れよう

悪い噂を広める

職場は別に男性をめぐって女性が争う場ではありませんが、女性ならではの攻撃の特徴があらわれるのではないかと思います。

「お局に手を出すことはできないよ」

とか、

「女同士の争いはよくわからないからなあ」

などと寝ぼけたことをいっていたら、若者がどんどん離職していきかねません。

進化心理学者のアン・キャンベルは、女性は子どものために長く生き残ることが何よりも重要であるため、女性たちがとる戦術はリスクが低く、間接的なものだといいます。

例えば盗みであれば、強奪ではなく窃盗を働いたり、ライバルと暴力で直接対決するのではなく、影で悪い噂を広めるなどが例として挙げられています。

これは、攻撃の度合いは弱く、比較的見つかりにくいものといえます。

統計資料があるわけではないので一概には言えませんが、職場であからさまに声を怒声を上げたり暴力を奮ったりというパワハラは、男性より女性の方が少ないのではないでしょうか。

でもこれは、だからといってパワハラ事案が少ないというわけではないと思います。

勤続年数の長い女性がいる職場で若者の離職者が多ければ、パワハラやセクハラがないか、注意深く観察する必要があると思います。

被害を訴えられないケースが危ない

また、女性からのパワハラやセクハラを男性が受けている場合、より被害の声は届きにくいという可能性があります。

生き物としては女より男の方が攻撃力があるものの、職場では、男性より女性の方が地位が高い事例があります。

勤続年数が女性の方が長いというケースも、もちろんあります。

そのような環境で男性がパワハラやセクハラの被害にあっても、その加害者が女性であればなおさら、相談しにくい、相談したところで笑い飛ばされてしまうことを恐れるかもしれません。

被害者の声が届かないからといって、パワハラがない、問題がないわけではありません。

社長や管理職は、職場の環境を注意深く観察して必要に応じて調査し、加害者が女性であっても当然、注意・指導や教育、処分を行うべきなのです。

【参考】女性加害者の裁判例

2020年2月、神戸市における男性教師への暴行事件の加害者4名のうち1名が女性であることが話題となりました。

12月にもNTTドコモの元社員が、男性上司と女性上司からパワハラ・セクハラをされたとして裁判を起こしています。

数が少ないのは確かですが、女性がパワハラ・セクハラの行為者とされ争われた裁判例はありますので、ご紹介します。

  • 京都下労働基準監督署長事件(大阪地判 平22.6.23)
    女性同士の事例。同僚の女性数名から悪口や陰口、殴る蹴るのマネをされるなど繰り返し嫌がらせをされたことにより、被害者は精神疾患を発症した。陰湿さと執拗さが常軌を逸した悪質なものと判断され、その精神疾患は労働災害だと認定された。
  • カネボウ化粧品販売事件(大分地判 平25.2.20)
    女性同士の事例。有期雇用の契約社員が正社員3名から占い師のコスチュームを着て研修会に参加するよう強要され、その様子を写した写真をスライドに投影された。被害者は研修会の直後にクリニックへの通院を開始。精神的損害に対して22万円の損害賠償請求が認められた。
  • 社会福祉法人備前市社会福祉事業団事件(岡山地判 平26.4.23)
    女性加害者、男性被害者の事例。周囲から見ても被害者の仕事ぶりは叱責されても仕方ないという側面もあったが、加害者の叱責は過去のことを持ち出したり、詰問口調であったりした。周囲はどちらかを異動させるよう管理者に訴えたが聞き入れられず、結局被害者は精神障害を発症し自殺してしまった。法人に対し、数千万円の逸失利益と慰謝料を支払うよう命じられた。
  • 日本郵政公社(近畿郵便局)事件(大阪高判 平17.6.7)
    男性へのセクハラ行為者として女性が訴えられた事例。郵便局内浴室で男性が上半身裸の状態でいたところ、女性に近づかれ、じろじろと見られたと主張。一審ではセクハラ行為と認められた。控訴審では、女性は管理職の職務として防犯パトロールのために浴室の扉を開けたこと、細かい会話や言動については両者の主張が著しく異なっており、被害者の主張を採用できないとして、行為の違法性が否定された。

まとめ

  • 原則、女性より男性の方が攻撃的。ただ、女性は女性なりの方法で競争し、攻撃する。
  • 例えば暴力をふるうのではなく悪い噂を広めるという、リスクが低く間接的な戦術をとる。
  • 被害が訴えられないからといってパワハラやセクハラがないとは限らない。注意深く観察して必要に応じて調査し、加害者が女性であっても当然に、注意・指導や教育、処分を行うべき。
参考資料
  • 厚生労働省e-ヘルスネット「加齢とエネルギー代謝」
  • 法務省「令和元年版犯罪白書」
  • アラン・S・ミラー、サトシ・カナザワ『進化心理学から考えるホモサピエンス』(2019)パンローリング株式会社
  • ロバート・トリヴァース『生物の社会進化』(1991)産業図書
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