最低賃金とは?ルールや計算方法を分かりやすく解説

「バイトの時給は最低賃金を下回っていないから大丈夫」

そこでチェックを終了していたらかなり危険です!

最低賃金は月給制でも確認しなければなりませんし、毎年10月の改定に合わせた確認も必要です。

今回は、最低賃金の基礎知識を紹介します。

合意で決まる賃金へのセーフティネット

人事労務担当者
人事労務担当者

最低賃金は、絶対に守らないといけないのですか?

シモデ
シモデ

守らないと過去の分を支払うよう命令される可能性があります

人事労務担当者
人事労務担当者

どうやって確認すればいいのでしょうか?

シモデ
シモデ

まずはルールの基本事項を確認していきましょう

本来、労働契約は当事者間が、自由に合意して締結するものです。

そして、どのくらい働いて、それに対してどのくらいの賃金をどういった内容(基本給、手当など)で支払うかも、合意で決めることができます。

しかし、自由には責任がつきものです。

その責任の一つが、「最低賃金」というルールです。

会社は、従業員の最低限の生活を保障する程度の賃金を支払う必要があります。

最低賃金は、1時間当たりの賃金に換算して確認します

アルバイトの時給はもちろんですが、月給制であっても1時間当たりに換算すると最低賃金を下回っているかもしれないので要注意です。

最低賃金を下回っていると、過去にさかのぼって賃金を支払えと命じられる可能性があります。

また、50万円以下の罰金という罰則も定められています。(最低賃金法第40条)

命令や指導に従わず悪質だと判断されると、送検される可能性もあり、令和元年には15件の送検事例があります。(厚生労働省労働基準局「平成31年・令和元年労働基準監督年報」)

シモデ
シモデ

最低賃金は、合意で決められる労働契約におけるセーフティネット。時間当たりに換算して確認します

都道府県ごとに賃金額が決まっている

人事労務担当者
人事労務担当者

時間当たりの額に換算するんですね

シモデ
シモデ

毎年発表される最低賃金額と照らしあわせてくださいね

人事労務担当者
人事労務担当者

どこで最低賃金額がわかりますか?

シモデ
シモデ

厚生労働省のホームページに掲載されています

最低賃金は、時給制のアルバイトやパートタイマーを募集するときだけでなく、その後も毎年チェックが必要です。

最低賃金額は、毎年9月頃に厚生労働省のホームページに掲載されます

また、最低賃金額は、都道府県ごとに決まっています。

各地域の物価や相場が反映されるためです。

ちなみに、2021年8月現在の東京都の最低賃金は、1,013円/時です。

参考:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」(外部リンクが開きます)

なお、一部の事業や職業に関しては、都道府県ごとの最低賃金(「地域別最低賃金」)とは別の「特定最低賃金」が定められています。

たとえば、埼玉や千葉では、情報通信機械器具製造業や各種商品小売業に対して、地域別最低賃金を上回る特定最低賃金が適用されますので、あわせて確認が必要です。

参考:厚生労働省「令和2年度 特定最低賃金の審議・決定状況」(外部リンクが開きます)

シモデ
シモデ

毎年9月ごろに地域別最低賃金をチェックする。特定最低賃金が適用される会社は、毎年12月ごろにもチェックが必要です

最低賃金はどうやって計算する?

人事労務担当者
人事労務担当者

9月頃にホームページで確認するといいんですね

シモデ
シモデ

給与計算のチェックリストに入れておくといいですね

人事労務担当者
人事労務担当者

時間当たりに換算するのはどうすればいいですか?

シモデ
シモデ

対象になる賃金を確認するところから始めましょう

最低賃金を計算するときに対象となる賃金は、毎月支払っている基本的な賃金です。

具体的には、実際に支払われる賃金から以下4つの賃金を除外したものが、最低賃金の対象となります。

  1. 臨時に支払う賃金(結婚手当など)
  2. 1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  3. 時間外・休日・深夜勤務に対する割増賃金
  4. 精皆勤手当、通勤手当、家族手当

たとえば、アルバイトやパートタイマーの時給制の方で、基本給と通勤手当を支払っているのでしたら、基本給のみで最低賃金を上回っているか確認します。

月給制の場合はどうでしょうか。

ここで用いるのは、「1ヶ月の平均所定労働時間」です。

つまり、1日の所定労働時間が8時間、1年間の所定労働日数が250日なら、

8×250÷12=166.666…

となり、1ヶ月の平均所定労働時間を求めることができます。

このとき、基本給25万円、資格手当5万円、通勤手当1万円ならば、東京都の最低賃金を上回っているでしょうか。

通勤手当は、最低賃金の対象とはならないため除きます。

対象となる賃金額を、1ヶ月の平均所定労働時間で割ると、

(250,000+50,000)÷166.666…=1,800

となり、東京都の最低賃金1,013円/を超えていることが分かります。

これが、基本給17万5千円、資格手当5千円、通勤手当1万円だと、

(175,000+5,000)÷166.666…=1,080

となり、東京都の場合は最低賃金を下回っているため、是正しなければなりません。

賃金額だけでなく、1ヶ月で平均どのくらい働かせるのかも関わってきます。

最低賃金の確認には、1年間の休日の設定や1日の所定労働時間の設定も、あわせてチェックすることが必要です。

シモデ
シモデ

毎月支払っている基本的な賃金が最低賃金の対象となる。月給制なら、1ヶ月の平均所定労働時間を用いて賃金を時間換算しましょう

最低賃金のルールと計算方法まとめ

  • 最低賃金は、合意で締結する労働契約に対するセーフティネット。最低賃金額を下回っていると過去分の支払いや罰金を命じられたり、悪質だと送検される可能性がある。
  • 厚生労働省のホームページで、毎年9月ころには地域別最低賃金、毎年12月ころには特定最低賃金額を確認する。
  • 月給制の場合は、毎月支払っている基本的な賃金の金額を1ヶ月の平均所定労働時間で割った金額と、最低賃金額とを照らしあわせて確認する。