【人間だって動物だ】生物学的に男と女は圧倒的にちがう

生物学的な男女のちがい
この記事は約6分で読めます。

私は、幸か不幸か、10代のうちは「男女に差がある」と感じずに生きていました。

通っていた中学校は、男女一緒に体育をするような学校でしたし、高校のクラスでは、男女混合の出席番号順でした。

「女の子だから〇〇してはダメ」と言われる機会もほとんどありませんでした。

ところが、就職活動をしたり、会社で働いてみると、

「男と女はちがう」

ということをまざまざと感じるようになりました。

自分の働き方と周囲の男性の働き方がちがったり、体力がなかったり、年収がちがったり・・・。

パワハラ・セクハラの被害や賃金格差について学んでいくと、社会的な構造や施策に理不尽さを覚えます。

ただ、批判するには、「生き物として、男と女はちがう」という圧倒的な事実をのみ込むことが必要だと気がつきました。

まして、「男が悪い」とか「冤罪だからこっちが被害者だ」などと対立しても、誰も幸せになりません。

わかってはいるけれど、まず改めて、どのように男と女はちがうのかをみていきます。

繁殖成功のために男と女は異なっている

繁殖成功のために男女はちがう

働いているときだって、私たち人間は「ヒト」であり、動物であり、生き物であることに変わりありません。

私たちが生き物である以上、繁殖成功を最大の目的として存在しています

多くの生き物が、繁殖のために交尾をし、メスが卵や胎児を産みます。

そのため、オスは、生まれてきた子どもが自分の子どもであるかどうか確信がありません。

常に、よそのオスの子どもを育てさせられる危険があります。

血縁関係のない子どもを育てるために働けば、オスは、繁殖成功に対して大きなコストを負担するとになります。

一方、メスにはそんな心配は必要ありません。

夫がほかの誰と交尾しようと、子どもは確実に自分自身のものであり、その後の投資も自分の遺伝子のためになります。

こうしたことから、主に、オスとメスは以下の4つの点で異なるのです。

  1. 子どもへの投資量
  2. 異性をめぐる競争の強さ
  3. 配偶者を選択する強さ
  4. 死亡率

子どもへの投資量がちがう

メスがすべての投資をし、オスは何もしない。

子どもへの投資量がちがう

子どもへの投資においては、これが生き物の一般法則です。

私たち哺乳類は体内である程度子どもを育てることから、この投資量の差は特に顕著です。

メスは妊娠や授乳という大事業を行い、その後も子どもを保護したり生き方を教えたりします。

一方で、子どもを産むことにおけるオスの貢献は精子の細胞一つであり、その重さは平均「1グラムの1兆分の1」だそうです。

異性をめぐる同性内の競争の強さがちがう

オス同士はメスに近づくために互いに競争するのに対し、メス同士がオスに近づくために互いに競争することはめったにない。

競争の強さがちがう

攻撃性に性差がみられるときは、これが生き物の一般法則です。

オス同士は競争し、たたかうために、武器を備えています。犬歯、ツノ、牙、アゴなど。

そして、オスはその武器を使いこなすための筋肉を持っています。

また、オスは、特に繁殖時により一層攻撃的になります。

ふつうは、オスがメスに求愛し、メスを獲得するためにオス同士で競争する必要があるからです。

厚生労働省のデータによると、15〜17歳の基礎代謝量(※)の以下の通りで、男女比は5:4です。

  • 15〜17歳の男性:1,610(kcal/日)
  • 15〜17歳の女性:1,310(kcal/日)

この差は、年をとっても続きます。

70歳以上の男性の平均が1,290(kcal/日)で、15〜17歳の女性とさほど変わらないわけです。

若い女性でも、年配の男性に抵抗できるとは限らないことにも、うなずけます。

※基礎代謝量とは、安静時に生命維持のため消費される必要最小限のエネルギー量のこと。

配偶者を選択する強さがちがう

メスはより好みし、オスはしない。

配偶者選択の強さがちがう

配偶者の選択においては、これが生き物の一般法則です。

メスは子どもへの投資量が多く、一生の間に産み育てられる子どもの数はオスに比べて格段に少ないことから、自分の遺伝子の生存のためにも、オスを吟味する必要があります。

メスは多くのオスに求愛されたとしても、選ぶのは1〜2個体で、それ以外のオスは拒絶します。

そしてメスは、でたらめにオスを選んでいるのではなく、特定の方法でオスを選んでいるのです。

しかも、同種のメスはたいてい同じオスを選択します。

その結果、あるオスは何度も交尾し、ほかの多くのオスは1度も交尾できないのです。

一部のオスに多くのメスが集中し、メスを総取りされてしまいます。

死亡率がちがう

一生を通じて、オスの死亡率はメスよりも高い。

男女の死亡率がちがう

死亡率においては、これが生き物の一般法則です。

オスはメスをめぐって競争する際、ふつうは攻撃的に闘争するため、命を落とす可能性が高くなります。

厚生労働省のデータによると、2015年の年齢調整死亡率(※)は以下の通りで、男女比は2:1です。

  • 男性:486ポイント(人口10万対)
  • 女性:255ポイント(人口10万対)

統計データのある1947年から男女とも低下しているものの、男女差の傾向は一貫しています。

死亡要因は主に病気、ストレス・外傷、殺人・自殺の三つに分けられます。これらすべての死亡要因に男女差があります。

女性より男性の方が、病気にかかりやすく、事故やケガ、殺人や自殺によって死ぬことが多いのです。

※年齢調整死亡率とは、年齢構成を調整しそろえた死亡率のこと。

【例外】人間の場合

これらの一般法則には、もちろん例外があります。

両親の投資比が逆転しているという生き物は、当然に存在しています。

つまり、オスの方がメスよりも子どもに投資する量が多いケースです。

そうすると、メスがオスに近づくために競争したり、メスがオスに積極的に求愛したり、オスがメスをより好みするために一部のメスが多くのオスを獲得するといった現象も生じるわけです。

私たち人間のオスも、ふつうに自分の子どもの世話に対し、時間とエネルギーを投資します

ときには、子どもだけでなく甥っこや姪っこにも。これは人間の驚くべき特徴なのです。

大型類人猿やほかのサルの仲間とは、この特徴を共有していません。

人間の男は子どもに投資する

このように人間のオスは、生き物の一般法則と異なり、子どもに対し何の投資もしないということはありません。

そうすると、必ずしも男が女をめぐって男同士で闘ったり、男が女に求愛したり、女が多くの男をより好みできるわけでもないと考えられます。

時代や文化によって程度は違えど、少なくとも現在は、男性が育児休業を取得したり(叶わなくとも取得したいと希望したり)、「草食男子」という言葉が流行って久しかったり、婚活市場では如実に女性が男性をより好みできる状況ではなかったりするようです。

女性が男性をめぐって、女性同士で競争することもあるでしょう。しかも、女性は競争において間接的な手段(いわゆる「いじわる」)を取るともいいます。

でも、私たち人間の脳は1万年変わらないといいますから、職場で貴重な女性をめぐって男性同士が競争したり、それにより女性を傷付けたりすることは変わらずあるのでしょう。

また、女性も変わらず、男性をより好みできる状況を理想とし、「時代は変わった」という現実を直視できないのかも知れません。

まとめ

  • 生き物の一般法則:①メスが子どもに投資する、②メスに近づくためにオス同士が競争する、③メスがオスをより好みする、④メスよりオスの死亡率が高い
  • 人間のオスは子どもにふつうに投資することから、一般法則の例外といえる。人間社会では、男性に近づくために女性同士が競争したり、男性が女性をより好みしたりすることもある。
  • 多くの職場は男性中心の競争社会であり、事例としては女性が被害を被ることが多い。
参考資料
  • ロバート・トリヴァース『生物の社会進化』(1991) 産業図書
  • 厚生労働省e-ヘルスネット「加齢とエネルギー代謝」
  • 厚生労働省「平成29年度人口動態統計特殊報告」
トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました