部下が「この人と一緒にがんばろう!」と思える上司ってどんな方だと思いますか?
組織やチームは複数人が集まっているので、ある程度の画一性は仕方ないと思います。
でも私は、仕事であっても基本は人間同士のつきあいなので、相手の感情や特性への心配りが必要だと思っています。
成果も求められるし、部下への気配りもしなくちゃいけないしで、かなりの自制心が求められます。
なので、部下を持つということは、自分自身との戦いだと思います。
そんなリーダー像を理想としている方に読んでほしいオススメの5冊をご紹介します。
人を動かす
言わずと知れた名著です。日本では1937年に発売されました。
この本で紹介されていることは、一言でいえば「幼稚園で習うこと」です。
話しかけるときに相手の名前を呼んでいますか?
とか、
心の底から興味を持って相手の話を聞いていますか?
などです。
読み始めると、「バカにしているのか・・・?」と思えるほど簡単なことばかりなのですが、
では自分がこれらを全部できているかというと、できていないと結論づけざるを得ない。
人と関わる上では簡単なことが大切だと改めて感じさせてくれる基本書です。
コーチングのとびら
コーチングという言葉を聞いたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。
コーチングスキルにはいろいろなものがありますが、その中で私は「傾聴」が最も大切なスキルだと思っています。
部下から見た上司というのは、上司が思っている以上に気をつかう相手であり、話しかけにくい相手であり、本音を言いにくい相手です。
その上司も誰かの部下だった時代があるのに、忘れてしまうようです。
部下の話をきく必要なんてあるの?と考えているような方は、傾聴スキルを意識しても、しすぎることはないと思います。
傾聴とはどんなものかが分かり、実践してみようと思える一冊です。
タイプ分けを知ってアプローチするとうまくいく
部下のことを知って、一人ひとりに合わせたマネジメントをしましょう!
と言われても、考えたこともない、やったこともない人からすると、何から手をつけたらいいのか分からないだろうと思います。
血液型を筆頭に、世の中にはさまざまなタイプ分けがあります。タイプに当てはめられることが嫌だと感じる気持ちも分かります。
ただ、自分や部下が、どちらかというとどのタイプに当てはまっているか分かると、それが一つの基準になります。
基準があれば、この部分は少し違う、この部分は全然違っている、この部分はこれくらい違っているなどと、相手をもっと知るためのツールになります。
本書では「コントローラー」、「プロモーター」、「サポーター」、「アナライザー」の4つのタイプに分け、それぞれのコミュニケーションの特徴が紹介されています。診断テスト付きです。
3分間コーチ
コミュニケーションは質より量!ということが分かる一冊。
部下とのコミュニケーションで悩んでいる方から、部下との話し合いの時間を設けて、その中でいかに心を開いてもらうかについて悩んでいると聞くことがあります。
日ごろろくに話もしない上司と面と向かって心を開けと言われても、部下にとっては無理な話です。
『人を動かす』でも日常のコミュニケーションで大切な基本的なことが紹介されていますが、それと同じ理屈で、話し合い場を設けるよりも「毎日立ち話で3分間話す方がよい」そうです。
信頼関係を築くには、毎日の積み重ねが大切だということが分かります。
経営者になるためのノート
柳井 正 PHP研究所 2015-8-24
経営者になりたいわけじゃないんだけど・・・
題名を見ると経営者になる人だけが読むべき本のように感じますが、私は違うと思います。
この本は、ファーストリテイリングで幹部社員研修用ノートが一般向けにまとめられたものです。
四章あるうちの一章は「チームを作る力」であり、どのように部下と向き合い、引っ張っていくかということがテーマです。
柳井さんほどの壮大な目標がなくても、部下を1人でも持ったという意味では、人ひとりの人生を一定期間半分預かったようなものだと思います。
部下も人間ですから、「全身全霊」で向き合う以外ない、それでなければ信頼関係など築けるわけがないと熱く語られています。
部下を甘やかせばよいわけではなく、間違ったことをしたら厳しく指導しなければいけないのは、考えてみたら当たり前のことです。
「パワハラだ」と言われるのが怖いといって、指導を放棄しては上司の仕事をしていることにはなりません。
その指導を素直に聞いてもらうためには、日ごろのコミュニケーションが大切だと思います。
以上、部下が1人でもいる方に読んで欲しい5冊をご紹介しました。
ぜひ、さまざまなスキルにトライして、自分に合うコミュニケーション方法を実践してみてください。