女性の管理職の皆さん、管理職じゃない皆さんも、本当におつかれさまです。
この記事にたどり着いて、そして、ご覧いただき本当にありがとうございます。
会社という組織は男性社会なので、その中で働き続けて成果を出し、あるいは昇進して出世してきただけで、いろいろなしんどさがあっただろうと想像いたします。
成果を求められる中で理不尽にも「女性らしさ」も求められることに憤ったり、人一倍努力してきた中で他の人の不真面目さに腹が立ったりすることがあるのではないかなと思います。
そんなときに憤りを解消できたり、答えが見つけられるかもしれないオススメの5冊と番外編の1冊を紹介します。
さあ、才能に目覚めよう
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0
トム・ラス 日本経済新聞出版 2017-4-13
言わずと知れた名著です。私が読んだのは旧版なのですが、本の趣旨は大きく変わらないのではないかと思います。
昇進してきた女性は、より一層優秀な可能性があるので、自分は当然にできることを人ができないと、かなりイライラすることがあるのではないでしょうか。
この本を読むと、自分が普通にできていることは自分の強みであることがわかり、自己肯定感が増します。
また、人ができないことは、怠惰とは限らず、その人にもその人自身の強みがあることがわかります。
本には「ストレングス・ファインダー」という、自分の強みを知るためのウェブテストにアクセスするためのコードがついているため、Kindle版はありません。
進化心理学から考えるホモサピエンス
会社や組織で働いている女性ならば、誰もがセクハラやパワハラを受けたことがあるのではないかと思っています。
「自分がこんなにイヤな目にあうのは、なにか悪いことをしたからなのだろうか?」という疑問が解消される一冊です。
なぜ男という生き物は、若い女が好きなのか、嫉妬深いのか、暴力的なのか、「オレに気がある」と勘違いするのか、なぜセクハラはなくならないのかということが、進化倫理学という領域で説明されています。
進化心理学とは、副題の通り、わたしたちの本性は一万年前から変わっていないという考え方にもとづく学問です。
専門ではないので真偽はわからないのですが、「自分が悪いのではない。男とはそういう生き物だ。」ということがわかります。
女ぎらい ニッポンのミソジニー
上野千鶴子 朝日新聞出版 2018-10-5
「女は女がきらいだよね」と言われたことはありませんか? 私はあります。
確かに女は面倒なところがあるし、さっきまで仲良くしていたと思ったら悪口をいい始めることがあるので、「女は女がきらい」というのはわからなくはありません。
でも、男も一緒じゃないですか? 男だって男の悪口は言うし、嫉妬深いし…と思い、手にした一冊です。
女のことがきらいなのはむしろ男であり(女好きと女性蔑視が同居している)、また、女性の対立構造は支配層である男性が作り出したものだと説明されています。
また、「女であることへの自己嫌悪」も、支配層が「女らしさ」をカテゴライズするからだということもわかります。
エロティック・キャピタル
キャサリン・ハキム 共同通信社 2012-3-3
見た目を武器にしてなにが悪い!
男性のリーダーは、男性の平均身長より背の高い人が多いそうです。
性的魅力は自分の資産ですから、活用してもいっさい悪いことはないのです。
女性は貞操観念を求められて育つため、見た目を武器にして稼いでいる女性を見ると、嫌悪感をもつ人もいるのではないでしょうか。
でも、性風俗産業に従事している女性が、会社員の女性より圧倒的に稼いでいることがあるのは事実です。
他人のことをとやかくいう必要はないし、逆に「自分の性的魅力は存分に活用していいんだ!」と気がつく一冊です。
現在は、中古しか手に入りません。中古を手に取っていただくか、図書館で探してみてください。
存在しない女たち
女って人口の半分いるのに、生きにくいなあと感じたことはないですか?
その理由がわかる一冊です。女のデータは無視されて、世の中は設計されているのです。
たとえば、ケア労働を行うために、女性は男性よりも複雑な移動をするのに、研究対象としてデータが複雑すぎるために無視されます。
そうすると、幹線道路を通る単純なバスルートができあがります。
あるいは、世の中に出てくることはないが、女性に効くかもしれない薬は大量に存在します。
なぜなら、科学の世界でも「男女にちがいはない」と考えられており、また、女性は月経があるために研究の対象から外されてしまうのです。
治験の対象となるのは男性であり、男性に効くことがわかって始めて、薬は商品化されるのです。
絵文字のジェンダーや、トイレの数、危ない公共空間、「実力主義」などなど、多岐にわたる分野で、これらに似たようなことが起こっているとわかる一冊です。
データの中立性を疑う視点も得られます。
【番外編】こんなはずじゃなかった!

ワーキングウーマン研究所総合職研究会 JPC 1993-3-1
男女雇用機会均等法が施行された1986年前後に、一般職と分けられて、総合職として採用された女性たちの手記です。
私が男女のちがいについて関心を持ったのは、東電OL殺人事件がひとつのきっかけでした。
東京電力で初の女性総合職として採用されたエリートの女性が、働きながら自分で体を売り、殺されてしまう事件です(真犯人は捕まっていません)。
初の総合職として男社会で生きた苦悩があったのかな、と感じ、いろんな本を読み漁りました。
読み漁っても、私の想像の域を出ないことです。
この事件ほどの事例は載っていないものの、本書は、先輩たちの苦悩がたくさん詰まっています。
総合職だけど女性だからお茶汲みや掃除をさせられる、一般職の女性からは距離を置かれる、同期や部下の男性が自分より昇進・昇給していく、職場も優秀な女性を持て余すなどなど、今読んでも共感できる部分がたくさんあります。
現在は、中古しか手に入りません。中古を手に取っていただくか、図書館でご覧ください。
以上、働く女性や女性管理職の方に読んで欲しい5+1冊をご紹介しました。
いま抱えている悩みが解消されるかもしれません。ぜひ先人たちの知恵を参考にしてください。