新しいことに挑戦するとき、皆さんは何を支えにするでしょうか。
私は、学生時代には全然本を読んでいませんでしたが、20代後半に体調を崩して何もすることがなかったときをきっかけに、その後の生活においては、いつもいつも本からヒントを得ています。
もちろん、知人や友人に話を聞いてもらうこともありますが、誰かに責任を押し付けられるわけではないので、最後は自分で考えて決断するしかありません。
そこで今回は、何か新しいことに挑戦しようとしている方の支えになるオススメの5冊をご紹介します。
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僕は君たちに武器を配りたい
2019年8月に亡くなってしまった、瀧本哲史さんの著書です。
瀧本さんはエンジェル投資家で、日本交通の経営再建に取り組まれたり、京都大学で学生に起業を教えたりされていました。
瀧本さんを知ったきっかけが何であったか、もう忘れてしまったのですが、本書の他にも『君に友だちはいらない』『ミライの授業』『戦略がすべて』など、
「よし、がんばろう!!」
と思わせてくれる本をたくさん書かれています。
本書のメッセージは、「コモディティではなくスペシャリティになれ」です。
コモディティとは、個性がなくいつでもいくらでも代わりがいる人物で、スペシャリティとは、ほかの人には代えられない唯一の人物をいいます。
資本主義社会において、マーケター、イノベーター、リーダー、インベスター(投資家)の掛け合わせにより、「スペシャリティ」になるために何をすればいいのかを考えるきっかけになる一冊です。
身銭を切れ
金融トレーダーだったナシーム・ニコラス・タレブの著書です。
『ブラック・スワン』が有名ですが、私には『身銭を切れ!』の方が響く部分が多くありました。
「身銭を切る」と、失敗をする自由が得られます。ただし、この「失敗」とは、「自分自身だけを傷つける失敗」を指します。
著者は、これを「崇高な自由」といっています。
そして、失敗をする、つまり、リスクを取ることは勇気であり、勇気は最高の善だといっています。
言い回しや例え話が難しく、すぐに理解できない部分も多々あると思います。
でも、一度読んだだけでもハッとさせられ、繰り返し読むことでより発見が得られる一冊です。
英雄の書
黒川 伊保子 ポプラ社 2015-9-1
AIや脳、ことばの感性を専門にされている、黒川伊保子さんの著書です。
黒川さんは研究者ではありませんので、たくさん出されている本の内容については賛否両論あるかと思いますが、私は、本書を読んで確かに勇気づけられたうちの1人です。
本書でも、『身銭を切れ!』と同じく、失敗の価値について語られています。
失敗を繰り返するからこそ次に挑戦できること、とくに30代は失敗適齢期であること、そして何より、眠ることが大好きな私には嬉しい「眠っている間に脳は学習する」ことを知りました。
寄り添って話しかけてくれるような黒川さんの言葉づかいも優しい一冊です。
人間を磨く
新しいことを始めるときには、周囲の人々との関わりが、少なからず変化します。
とても親密に交流していた人との関係が希薄になったり、新しいところに飛び込んでみたら自分とは合わないなあと感じたり。
本書は、人間関係の悩みを解消するには「先人に聞くに限る!」と思った一冊です。
著者の田坂さんは、研究者や企業の役員や顧問をされ、大学でも経営や起業家論の講義をされています。
自分に欠点があってもいいこと、むしろ欠点の多い人間の方が周囲から好かれるといいます。
また、一時関係が希薄になった人でも長期的に見ればまた関係が生じるものだから、自分や相手を責めたりせず、「こういうこともあるもんだ」と思っておけばいいと教えてもらい、気が楽になりました。
GRIT やり抜く力
自分の取り柄が分からなかったときに出会った一冊です。
成功者の秘訣みたいなものを書いた本はたくさんありますが、本書ではそれを「やり抜く力」だといっています。
やり抜く力は、情熱と粘り強さの2つに分けられます。
情熱とは、ひとつのことに専念することで、粘り強さとは、いったん目標を決めたら守り抜くことです。
ポイントは、なんでも必死に頑張るのではなく、目標を絞り、そして何度やってもダメだったら他のやり方を試すことです。
すごい人を見ると「才能があるからだ」と片付けてしまいますが、著者は、才能だけで成功することはできないといいます。
この本のおかげで、「自分には突出した才能はないけど、決めたことはとにかく最後までやることだったら自分にはできそう」と感じることができました。
以上、何か新しいことに挑戦するとき支えになる5冊をご紹介しました。
手元に置いておいて、迷ったり悩んだりしたら繰り返し読みたい本ばかりです。ぜひ手に取ってみてください。